みなさん、こんにちは。Jamieです!
今回は、Nasdaq(ナスダック)に上場している、Root, Inc. [Ticker symbol: ROOT] を分析してみます。
それでは早速いってみましょう!
Root (ルート) の概要
Root (和訳: ルート) は、アメリカ合衆国オハイオ州コロンバスに本社をおく会社で、2015年に設立されました。
従業員は、2020年時点で900名程度となっており、中小規模の企業だと言えます。
Top Management / 経営者
Root社のTop ManagementはCo-Founder and Chief Executive Officer (CEO) のAlex Timm氏です。
Timm氏は、保険業界を刷新するというビジョンの元、同社を創業しました。
同氏は、Co-FounderおよびCEOとして同社の資金調達をリードし、2019年には企業価値を$3.65B(約3800億円)まで向上させました。
同社のメインビジネスは後述するように自動車保険ですが、2020年にはRoot Enterprizeを立ち上げ、賃貸に出している不動産オーナーに向けた保険の開発等にも着手しています。
同社は、2021年時点で米国内に4拠点を展開し、国内でもっとも大きいInsurTech(インシュアテック:保険 + 技術)企業の一角となっています。
Root社を創業する前は、全米にビジネス展開している保険会社王手にシニア戦略コンサルタントとして、従事していました。
また、同氏はCasualty Actuarial Societyのフェロー、およびAmerican Academy of Actuariesのメンバーも務めています。
メインビジネス
Root社の主要ビジネスは、新しい自動車保険の提供です。
従来の自動車保険は統計に基づいて、被保険者の年齢や年間の走行距離等を元に保険料が決まっていました。
同社は、この保険料の決め方はフェアではないと考え、被保険者の運転に実績に基づいて、保険料を決定すべきだという理念を持っています。
被保険者がRoot社側に運転の実績を知らせる方法は至ってシンプルで、個人で持っているIOSあるいはAndroidスマートフォンに同社のアプリをインストールし、運転中に端末のセンサ(ジャイロセンサ等)を用いて、情報収集をするというものです。
保険料は、大きく上の四つの項目のスコアにより、決定されます。
- Focused driving: 運転中にどれくらいスマホを操作しているか。スマホを操作する頻度が多い人は、注意力散漫とみなされます。
- Gentle turning: 右折・左折・Uターンなどのハンドル操作を行うときに、どれくらい速度を落とし、安全に運転しているか。
- Smooth barking: どれくらいの頻度、急ブレーキを踏んでいるか。
- Safe hours: 事故が起きやすい時間帯(例:深夜)に、どれくらい運転しているか。
これにより、多くの方は従来と比較して、優位な保険料で契約できるということです。
2021年6月時点で、アメリカ国内の多くの州で、同保険が契約できるようになっています。(以下の地図でオレンジ色にマークされている地域。)
売上高およびEPS (1株当たり純利益)
売上高は、FY2019年では$290.2Mであったのに対し、FY2020年には$346.8Mドルと、約2割ほど増加しています。
一方で、EPS (1株あたりの純利益)は、FY2019年では$-1.13であったのに対し、FY2020年は$-1.45と赤字が拡大しています。FY2021年には、$-2.08まで悪化することを見込んでいます。
なお、現在の株価は以下となっています。
ブログ運営者所感
Root社は、2020年10月にNasdaqへ上場しましたが、その当時から注目をしていました。
私は米国内でも自動車保険を契約した経験がありますが、一度も事故を起こしたことがない、かつ安全運転を常に心掛けているのにもかかわらず、日本での保険同様年齢が浅いからと言う理由から、高額な保険料で契約せざるを得ませんでした。
同様の不満を持った方は、年齢に関わらず多数いらっしゃることを知っていたので、同社の保険は爆発的に普及するのではないかと予想していました。
当初と比較して、契約できる州の数は順調に拡大しています。
しかしながら、2021年も含め未だに赤字が続いている、かつその額が年々(悪い方向に)拡大していると言う点は、注視をしなければなりません。
株価も上場後、多少の反発はあるものの、基本的に右肩下がりの状態が続いています。
私も含めて、同社のサービスを必要としている人は一定数いらっしゃると思うので、今後の業績改善に期待したいと思います。
以上、少しでもお役に立てる情報があれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
注: 当記事は投資をお勧めするものではございません。